2008年11月16日日曜日

クルマの持つエネルギーの大きさ

再び、車のひき逃げ、しかも被害者を引きずり、死に至らせた事件が大阪で起こった。
飲酒運転をしていた41歳の男が、16歳の新聞配達の少年をはねて逃走。何と6キロも引きずったという。

飲酒運転等を減らすために導入された道路交通法の厳罰化。飲酒運転は確実に減っているが、他方で被害者を救助せず逃げ去るケースも増えているそうだ。ペナルティが重くなった分、逃れたい気持ちが強まるという、パラドクシカルな解釈も成り立つだろう。

だが想像するに、事故を起こしたら「この場合は罰がどれほどだから…」と冷静に考えるゆとりはとてもなく、無我夢中で「現場から離れたい」とばかり考えるのではないだろうか。その中を落ち着いて行動できる人こそ、少数でもむべなるかなと思う。

改めて考えてみれば、1㌧以上もあるような金属の固まりが、時速何十㎞というスピードで走っているのだから、衝突したときのエネルギーの大きさはとてつもないものだ。そんなものと生身の人間が同じ空間を共同利用していることじたいに無理がある、とも言えるだろう。にもかかわらず、そんなことを普段は意識しにくい点こそ、慣れの恐さだ。

「不思議だなあ」と思える能力、それは学問上のことのみならず、日常生活でも「役に立つ」ことと強く思わされる。

0 件のコメント: