新しい政権は「国家戦略局」という部署を作ったが、まだ本格的に始動していないという問題とは別に、はたして国家レベルの戦略など、どれほど可能なのか、大いに疑問だ。
比較的短い時間で変化する周りの環境に適応した結果、あるいは偶然に生じたことをきっかけに、ある方向へと展開することはままあるだろう。しかし、これから起こることを予想して、それに応じた策をつもり、適合させていくなどということは、どれほどの水準でできると考えられるだろうか。
戦略と銘打つほどならば、5年から10年、あるいは「教育は国家百年の計」とも言う人に倣うならば、一世紀を見越した策を立てることになるが、かつての「5ヵ年計画」ですらなかなかうまくいかなかったのに、当時をはるかに越える環境変化のスピードを考えれば、ほとんど無理と踏むことが妥当なように思う。
これは何もくだんの戦略局に限ったことではない。どんなレベルでも組織についても、戦略といえば格好よく思う御仁には便利な言葉だろうが、後からの理屈づけはいかがかと思う。「こうして戦略が展開していったのです」では駄目。「こうして展開していくでしょう、ってほら5年前に言ってたでしょう」と語れなければ…。本当にそんな自信ありますか。
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