2009年8月30日日曜日

詐称はなくならず

昭和女子大准教授経歴詐称で申請取り下げ
 昭和女子大など都内の五つの女子大が、来年度の開設を目指していた「共同教職大学院」の設置認可申請を取り下げたことが22日、分かった。文部科学省への提出書類に昭和女子大准教授だった男性(61)が虚偽の経歴を記載していたことが発覚したためで、同大は男性を懲戒解雇処分にした。
 共同教職大学院の教員に同大は3人を申請しており、この男性はトップの教職研究科長に就任する予定だった。 (中略)  昭和女子大によると、准教授だった男性の懲戒解雇は今月16日付で、申請取り下げは21日付。文科省への提出書類に記載されていた「岐阜県教育委員会指導主事(97年~)」「同研修課長・教育センター第2研修部長(02年~)」「同県立高校長(03年~)」などの経歴がいずれも虚偽だった。男性は岐阜県立高教諭の経験はあったが、管理職を務めたことはなく、文科省の指摘を受けて大学側が確認したという。 04年に助教授として採用した際も男性は虚偽の経歴を伝えていたが、大学側は気付かなかったという。(2009年7月23日、毎日新聞)
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と報じられて一ケ月、くだんの人物は学歴も詐称していたことが判明した。

…元准教授は、職歴の「大学の非常勤講師」も虚偽だったことが判明。岐阜県教委でも男性が高校教諭時代に東大博士課程を修了したとする記録について改めて東大に照会したところ、「事実ではない」と否定されたという。(2009年8月27日、読売新聞)
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飲み屋の与太話ならともかく、職に絡むこの手の詐称は深刻な問題だ。逐一調べないこれまでの「紳士協定」に乗じた悪質なものと言える。

大学がスタッフをリクルートすることは、最大の経営資源の調達にあたる。自分たちの求める人物が得られるのかどうか、しっかりとしたフィルターを通すことが説明責任の上でもいっそう求められるだろう。

ちなみに、私の今の職場は、けっこう厳密だ。
高校、大学の卒業証明書、大学院の学位取得証明書と在籍証明書。研究論文については、業績一覧に挙げたものすべてを提示。そうそう、健康診断書も求められたなあ。

一応そのとおりなので、出すことは構わないのだけれど、高校に手紙を書いたり、手数料を郵便為替で払ってくれと言われたりの手間が大変だった。いやはや。

でも、こんな手続きがとても大切ということやね。

エコノミック・ポイントだったのか

電化量販店に出かけた。

商品のあまりの多さに、選ぶのに難儀したが、どうにか決まる。

すると店員さんが説明してくれた。「エコポイント」。
省エネやら何やらの基準を超えるモノを買うとこのポイントがつき、先々、商品券やらに交換してくれるというらしい。テレビでなんやかんやと報じていたが、さっぱり関心なく、ようやく話を聞いた。

な~んや、たくさん買うたら、また何か買えるもんくれるで、という話やったんか。
どこがエコロジカルなんや、これは。

おまけに申請に必要な書類をお店が準備してくれてたから、えらい時間がかかってしまった。 お店の負担も大きなもんやろうな。

自分が妙案を思いつくとは言えんけど、こりゃあかんで。ポイントつけたるさかい、いっぱい買うてや、って、どこの商店街でもやってるもん。

その安直さはさておくとしても、これを環境負荷の低い「エコ」やなんて…。

詐欺まがいは、ほんにいかんぜよ。

2009年8月20日木曜日

風景と対話する

NHK教育番組で、福井県に住む100歳の画家、豊田三郎さんのドキュメントを観た。

70歳を越えてから、青年からの願い、画家になりたいということを実現された方で、今も毎日、絵を描きに出かけられている。その中に、印象深い場面が数多くあった。

その一つ。絵を描こうとする対象に向かって、描こうとするその度に頭を垂れるということ、描かせてもらう、そして風景である相手と対話するのだとおっしゃる。

もう一つ。遊びで描いてるんじゃない、命を懸けて描いてるんだ、と言われる。豊田さんがもっとよく描きたいと思われる杉の木は、彼の父が植林に精力をつくしたものだという。

前者からは、相手をわかろうとすることは相手と対話することに他ならないこと、つまり、自分を現さずに相手を理解できるはずもないということ、なぜなら、相手はそういう自分に見せてくれるものがある(あるいは、ない)からだ。

後者からは、人生の最後に局面に自分が臨むべきところに戻るということだろうか、と思わされた。

自分が40歳代後半を過ごす今、長く生きるほどに、学ぶことの多いこと、謙虚であるべきことを強く感じさせられる。学ぶ意欲とは相手や事物に対する関心が高いことの証し、それは「わからない」ということなのだろう。「わからないことを自分は知っている」と述べたソクラテスの言葉はここにも当てはまる。

そして人が還るべきところ、これままだとんと見えない。自分にはこれからが修行の始まりということだろうか。

みなさんの人生の季節は、いま何月ころですか。わたしは、そうですね、年はくってもまだまだ若輩、5月の気分。わからなさを楽しみながら、大いに学びたいと思っています。

2009年8月13日木曜日

いつもの台詞でごめんなさい、暑いわあ…。

みなさま、元気にしてはりますか。ここ関西はほんまに暑いですわ。

きょうは夕方に少し雨が降ってくれたので幾分、しのぎやすくなったけど、今の室温はほぼ34℃、汗が止まりまへん。汗をぬぐうタオルもこれ何本目かというくらい、お風呂に入ってもこれじゃ、わやです。

ゆうてるうちに秋風が…とも思いつつ、いましばらくはこのままやろね。何を我慢してんのか、エアコンなしやなんて。

さて、7月下旬からの研修の「ロード」、ようやく一息つきました。富山、広島、静岡、そして京都、大阪、行く先で良くしていただき、とても楽しく過ごせましたよ。お世話くださった皆さま、本当にありがとうございました(アフターファイブも実に楽しかったです。飲み疲れするほどに…)。

講師をさせてもらい嬉しいことは、新しく多くの方と出会えることが一番ですが、くわえて必ずといっていいくらい、自分が新たに学ぶこと、気づけることのある点です。創発ともいうべき、ふわっとアイディアが湧き上がる瞬間は、何事にも替えがたいもので、次の論文の大きなヒントになります。この醍醐味は、ライブならではの研修あるいは講演だからですね。そんな機会を得られること、まったくありがたい話です。

かくして、この間に論文を一つ、ほぼ完成させました。教員の精神的健康に関するものです。ただし、活字になるのは早くて来年の3月、興味のある方、しばしお待ちを。おもしろい結果が出ましたよ(最近は、大学レポジとリーが充実したので、最近の論文はほぼネット上で読むことができます)。

まずはこの暑さに負けず、しっかり眠って、より励みたいと思っています。まだ論文を書く予定ですから。残っている講習もぐあんばります。

みなさんのこの夏の目標はどんなことですか。

2009年8月5日水曜日

飲み疲れ?

みなさま、ご無沙汰いたしました。

この間、あちこちでの教員研修に連日出向いており、青色吐息の状態です。

いずこでも歓迎くださり、ありがたいことこの上なしですが、それが意志薄弱な私には要注意でもあるのです。

つまり、仕事をぶじ終えて、アフターファイブと出かけます。おおむね喜んでもらえたのでは…、あるいは参加者にまずまずの意味ある時間を提供できたのでは…と自画自賛してしまうと、ほっとするのと嬉しさが相まって、ついついお酒が進むということです。ええい格好悪い。

関西に帰って嬉しいことの一つは、ほとんど車に乗らなくなり、飲酒運転の危険から完全に逃れることができたことでしょう。前に住んでいたところでは、どうしても車が必要で、そのために飲んではならぬと小さな葛藤がありましたから。

さて、先日お邪魔した日本海側のとある県の教育センターでは、実に実に歓待いただきました。昼間の仕事をどうにか終えたあと、夕方以降の食事で大いに話が盛り上がったことです。地の幸に美酒ゆえなことはもちろんですが、かくも楽しい時間を過ごせる人たちと出会えたこと、大変ありがたく思います。

とまれ、仕事でくたびれる→嬉しくて飲みすぎる→いっそうくたびれる、というサイクルに突入しています。お盆まであと一息、体を(少しは)労わって、あと予定されているいくつかの場を乗り切りたいと思います。

梅雨もあけて、いよいよ夏が本番。みなさまもくれぐれもご自愛くださいますよう。