2010年1月27日水曜日

「生きて働く学力」になっていなかった

横浜市緑区の市立中学校の教諭が、学校の備品のDVDプレイヤー1台、およそ5000円相当を盗んだとして、警察に逮捕された。数学科の教諭(57)はDVDプレイヤーに学校の名前が書いたシールが貼ってあったまま、質屋に持ち込んだとのこと。「借金や、子供の養育費で金が欲しかった」と供述しているという。(1月27日、TBS)

数学の教師なら期待値を考えなかったのだろうか。質屋で受け取れたかもしれない額…①と、自分がつかまらず予定されていた退職金を得る額…②のそれぞれについて。

①は5000円を上回ることはないので、最大限5000円。
②は大学卒業後間もなく教職に就いていれば、1500万円ほどは見込めるだろう。

①と②の比率は1:3000となるので、①を選ぶには、確からしさが②の少なくとも3000倍なければ合理的な行動とはいえない。しかし、②の方がはるかに確率が高く、反対に①の方の確率が低いことは明瞭だ。

かくして、この御仁はきわめて非合理的な判断をしてしまった。「何のために数学を学ぶのか」…自らに問いが発せられたときに、その答を示してほしかったのだが。


0 件のコメント: